日本人の結婚のうち約95%は日本人同士の結婚です。残りの約5%は夫または妻が外国人の国際結婚です。日本人男性の相手国は、中国、フィリピン、韓国が多く、日本人女性の相手国は、韓国、アメリカ、中国が多いです。
国際結婚では夫婦両方の国の結婚の要件を満たしている必要があります。例えば、結婚できる最低年齢、離婚後の再婚禁止期間などです。
国際結婚は相手国によって手順や必要書類が大きく異なることがあります。また、書類の収集や手続きに時間がかかることが多々ありますので、余裕を持って準備していくことがとても大切です。
このページでは基本的な国際結婚の手続き手順を記します。
婚姻要件具備証明書
結婚できる条件のことを「婚姻要件」と言います。この婚姻要件は国によって違い、日本では以前は男性18歳以上・女性は16歳以上でしたが、2022年4月からは男女ともに18歳以上となりました。他にも、独身であること(重婚でないこと)、女性は基本的には離婚100日経過していることです。婚姻要件を満たしていることの証明が婚姻要件具備証明書です。
婚姻要件具備証明書の取得方法
日本人の婚姻要件具備証明書は法務局の本局か支局で取得することができます。日本人の婚姻要件具備証明書を相手国の役所に提出する場合には、通常は日本の外務省の認証を受けなければなりません。さらに、相手国大使館・領事館の日本証が必要になることが多いです。
外国人の婚姻要件具備証明書は国によって違いますので、大使館・領事館や母国の役所に問い合わせが必要です。必要書類も国や役所によって異なることが多いです。
日本人の婚姻要件具備証明書取得の際の必要書類
主なものは以下の通りですが、基本的に法務局の指示に従ってください。
- 戸籍謄本
- 印鑑
- 身分証明書(運転免許証など)
- 個人情報(結婚相手の国籍、氏名、生年月日など)
国際結婚は夫婦となる両方の国で結婚手続きをするのが基本です。その際、どちらから手続きをするかによって手続き方法の違いやメリット・デメリットがあります。
- 日本で先に結婚手続きをし、相手国に報告的届出をする。
- 相手国で先に結婚手続きをし、日本に報告的届出をする。
日本で先に結婚手続きをする場合
- 外国人配偶者の婚姻要件具備証明書を発行してもらう。(日本居住者の場合は日本の相手国領事館で。相手国居住者は相手国の役所で。)
- 日本で役所で婚姻手続きをする。
- 婚姻受理証明書は発行してもらう。
- 相手国領事館で婚姻の報告的届出をする。
- 日本で居住する場合は、出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請をする。
日本の役所での必要書類
主なものは以下の通りですが、基本的に役所の指示に従ってください。
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- (外国人配偶者)婚姻要件具備証明書
- (外国人配偶者)パスポートまたは在留カード
相手国領事館での必要書類
主なものは以下の通りですが、基本的に領事館の指示に従ってください。
- 婚姻受理証明書
- (日本人配偶者)パスポート
相手国で先に結婚手続きをする場合
- 日本人配偶者の婚姻要件具備証明書を発行してもらい、認証を受ける。
- 相手の国へ行き、婚姻手続きをする。
- 結婚証明書を発行してもらう。
- 日本の役所で婚姻手続きをする
- 日本で居住する場合は、出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請をする。
相手国の役所での必要書類
主なものは以下の通りですが、基本的に役所の指示に従ってください。
- (日本人配偶者)婚姻要件具備証明書
- (日本人配偶者)戸籍謄本
- (日本人配偶者)パスポート
日本の役所での必要書類
主なものは以下の通りですが、基本的に役所の指示に従ってください。
- 婚姻届
- (日本人配偶者)戸籍謄本
- 結婚証明書
各国ごとの結婚手続き
在留資格申請
夫婦で日本で居住するならば、外国人配偶者に在留資格が必要です。夫婦両国での婚姻手続きが完了した後に出入国在留管理局へ申請することができます。日本人と結婚した場合の在留資格は「日本人の配偶者等」です(ただし、他の在留資格、例えば就労ビザの要件を満たしているならば、それらの在留資格で在留することも可能です)。外国から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請、国内にいる外国人配偶者の在留資格を変える場合には在留資格変更許可申請をします。
在留資格の申請は当事務所の得意とするところですので、お気軽にご相談ください。