調理師・料理人を招へいしたい

当事務所では外国料理店から「新しいコックを呼びたいから手続きをお願い」とご依頼を受けることが多いです。

本国から料理人さんを呼び寄せて雇用するには、日本の出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請をします。在留資格認定証明書(黄色の証明書です)が交付されたら、本国の料理人さんご本人へこの証明書を送ります。そして、ご本人が現地の日本大使館・領事館へこの証明書やパスポートを持参して、来日のためのビザ申請します。

 日本での在留資格認定証明書交付申請のためには、本国からご本人の書類の取り寄せなどがありますので、準備に1ヶ月ほどかかる時が多いです。申請後は結果が出るまでに1~2ヶ月かかります。交付後に母国のご本人に証明書が届くのに1週間、現地でビザが発給されるのに1週間、その後来日です。

逆算すると、就労開始から約4ヶ月前には動き始めた方がいいでしょう。ご本人の書類準備に時間がかかったり、出入国在留管理局から追加書類を要請されたりすることもあるので、余裕を持ったスケジュールが大切です。


技能ビザでの料理人の場合、その国の料理のフルコースを作ることができる調理レベルが必要です。それを具体化した条件が、10年以上(タイ料理の場合はEPAにより5年以上)の実務経験です。1日でも欠けると不許可になります。この実務経験はその国の料理を提供するお店での勤務経験でなければなりません。中華料理で言うならば、持ち帰りの小籠包屋などではなく、フルコースがあるぐらいのしっかりした料理店でなくてはなりません。

この実務経験は母国でなくてもかまいません。例えば、サンフランシスコの中華街にあるお店でも、条件を満たしていれば、中華料理屋勤務歴として認められます。

また、この実務経験を勤務先が証明した在職証明書が必要です。いつからいつまで勤務し、どのような職務内容であったかの記載が必要です。この記載に漏れがなければ、書類のタイトルは「在職証明書」でなくても「退職証明書」などでもかまいません。

現実的にはこの実務経験を証明できない人が多く、または経歴詐称が多く、出入国在留管理局はこの実務経験を厳しく確認しています。

日本で勤務予定のお店もその国の料理店でなくてはなりません。そして、経営状況が健全であることも必要です。どんな国の料理でも出すような居酒屋や、街中のラーメン店、テイクアウト店では許可されません。また、フルコースがメニューになくてはなりません。


技能ビザは条件が難しく、許可率が落ちやすいビザです。海外から料理人を呼び寄せようとお考えの方は履歴書や職務経歴書を取り寄せた頃に一度当事務所へご相談ください。