特定技能

在留資格「特定技能」とは

「特定技能」とは、日本の深刻な労働力不足に対応するために2019年に新たに創設された在留資格であり、一定の技能と日本語能力基準を満たした者が許可されます。最大通算5年の「特定技能1号」と、期間制限のない「特定技能2号」の2種類があります。

「特定技能1号」は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格であり、「特定技能2号」は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。

「特定技能2号」は試験などに合格すればなることができる制度です。そのため、「特定技能1号」を終了したらなれるというわけではなく、また、試験等に合格すれば「特定技能1号」を経なくてもなることができます。

2021年10月現在、特定技能2号は、建設分野、造船・舶用工業分野のみです。

特定産業分野14業種

「特定技能」は特定産業分野での就業のみ認められています。特定産業分野とは、「生産性向上や国内人材確保の取り組みを行った上で、なお、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」とされています。以下の14分野が指定されています。

  1. 介護業
  2. ビルクリーニング業
  3. 素形材産業
  4. 産業機械製造業
  5. 電気・電子情報関連産業
  6. 建設業
  7. 造船・舶用工業
  8. 自動車整備業
  9. 航空業
  10. 宿泊業
  11. 農業
  12. 漁業
  13. 飲食料品製造業
  14. 外食業

派遣の雇用形態が認められるのは、農業分野と漁業分野の2分野のみです。それら以外の分野では直接雇用が必要です。

技能実習との違い

技能実習は日本の技術を学び母国へ持ち帰ること、つまり、技能移転による国際貢献が目的です。それに対し特定技能は労働が目的です。そのため、技能実習よりも特定技能の方が、仕事のレベル、知識、技能が高くなっています。また、技能実習では転職は認められていませんが、特定技能では認められています。

外国人保護についても違いがあります。

雇用会社が自分で外国人保護をする場合は技能実習も特定技能も似通っています。外部委託する場合は技能実習では監理団体が行いますが、特定技能では登録支援機関が行います。登録支援機関はついて詳しくはこちらをご覧ください。

現実的には、協同組合が技能実習の監理団体を行っていることが多く、その場合は単に「組合」と呼んでいることが多いです。登録支援機関は、監理団体や人材紹介会社、士業が行っていることが多いです。

特定技能外国人になるルート

  • 技能実習ルート
  • 外部から試験ルート

技能実習から特定技能へ移るにはその職種が移行可能と認められているものでなくてはなりません。認められた職種ならば、技能実習2号または3号を終えた後に特定技能1号へ移行することができます。技能実習3号の途中ではできません。

日本に在留する外国人(例. 留学後)や母国にいる外国人が特定技能1号へとなるには、なろうとする特定技能の職種に応じた技能試験と日本語試験に合格しなければなりません。また、技能実習2号または3号終了後でも移行できない特定技能職種へ移行する場合には日本語試験は免除されますが技能試験に合格しなければなりません。

なお、特定技能1号の業種によって多少の違いがありますので、始めたい特定技能の確認が必要です。

特定技能外国人を雇用する際の主な費用

登録支援機関へ委託する場合、主な費用は次の表のとおりです。
分野によって多少の違いがあります。

この他に、日本人と同じ費用(給与、社会保険料等々)や住宅補助などがかかります。